お中元の意味って何?いつ誰に贈る?お中元のマナーと子供への伝え方

夏の風習のひとつがお中元、「夏のご挨拶」ですね。
デパートのお中元商戦が始まると、もうそんな季節なのかと感じる人も多いのではないでしょうか。
お中元は時期が決まっているので、ついうっかり!ということがないように早めに準備しなくてはいけません。
そういう意味では年々早くなっているお中元商戦が、注意喚起の役割を担ってくれているとも言えますね。
誰もが知っているお中元という風習ですが、その起源や意味をご存じでしょうか。
「ママ、お中元って何?」
「誰にプレゼントするの?どうして?」
もしもお子さんに質問されたら・・・(^-^;
「昔からある決まりだから」ではなく、お中元の意味や由来をわかり易く伝えてあげたいですね♪
そこで今回はママも知っておくべきお中元の意味と子供への伝え方、お中元のマナーについてお伝えします。
お中元の起源と由来
お中元はもともと中国の道教に由来する行事です。
中国の旧暦で1月15日を上元、7月15日を中元、10月15日を下元と言い、これら三元は大事な祭日でした。
そのひとつ7月15日の中元は「贖罪(しょくざい)の日」つまり罪を償う日として、その日は一日中たき火をし、神様にお供えをしていたそうです。
また、仏教の行事として7月15日は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が行われていました。
盂蘭盆会というのはお盆の正式な名称です。
お釈迦さまの弟子が地獄に落ちた母親を救いたいとお釈迦さまに相談したところ、供え物をして霊を供養するように言われた、ということが起源とされています。
中国ではお中元とお盆が同じ日に行われていたと考えられます。
日本のお中元の歴史と意味
お盆の行事を日本で初めて行ったのは推古天皇(飛鳥時代)で、貴族や僧侶の間で行われるようになりました。
日本では昔からお盆は先祖を供養するだけではなく、父母など生きている人に対しても感謝し無事を祝う行事として行われていました。
地域によってはお盆のことを「生御霊(いきみたま)」や「生盆(いきぼん)」と呼びます。
お盆には迎え火や送り火などの行事がありますが、そのひとつに「盆礼(ぼんれい)」というものがあります。
お供え物を親戚や知人の間でやりとりする習わしのことです。
室町時代には公家や武家の間でこの盆礼が習慣化し、江戸時代になると庶民にも広まりました。
中国の中元のお供え物と、この盆礼が合わさった形で現在のように贈り物をやりとりする形になったわけです。
今では品物自体を中元と呼ぶようになり、「お中元を贈る」という言い方をしますね。
お中元の品として食料品や飲料が定番なのは、もともとお供えものだった名残かも知れません。
お中元はお世話になった人や親しい人の感謝と無事を祝う気持ちとして、また日頃無沙汰をしている人に対して無事を伺う意味で贈ります。
子供への伝え方
中国から伝わった中元という祭日と、盆礼が合わさって日本独特の贈り物文化になったわけですが、お子さんにはこんな風に説明してみてはいかがでしょうか。
この日は神様にお供え物をして、元気でいられますようにとお祈りをしていたんだって』
『そしていつもお世話になっている人やお友達に「有難う。いつまでも元気でいて下さいね」という気持ちを伝える日なんだよ』
『それでその人達に有難うの気持ちをこめてプレゼントを贈るんだよ。暑い夏だけど元気でいて下さいねって』
もっと簡単に言う場合は
と感謝の気持ちや相手の無事を祈る心を品物に託すことを伝えれば良いでしょう。
お中元のマナー
お中元を贈る時期は?いつからいつまでに贈ればいいの?
お盆が地域によって異なることと関連して、お中元を贈る時期・期間も地域で異なります。
地域別お中元の時期・期間
- 北海道・・・7/15~8/15
- 東北・関東・・・7/1~7/15
- 北陸・・・7/1~7/15、または7/15~8/15
- 東海・近畿・中国・四国・・・7/15~8/15
- 九州・・・8/1~8/15
- 沖縄・・・旧暦の7/15までに(年によって日にちが異なる)
お中元の時期に間に合わなかった場合は?
それぞれの地域で期間内に相手に届くようにするのが礼儀ですが、もしうっかりして間に合わなかった時にはのしの表書きを変えます。
「暑中御見舞」「残暑御見舞」など時期によってこれも違います。
また目上の人に贈る場合は「御見舞」の代わりに「御伺い」とするほうが良いでしょう。
お中元を贈る相手は?
特に決まりはなく、お世話になっている人や感謝の気持ちを伝えたい人に贈ります。
一般的には親、親戚、仕事関係、友人、先生、恩師、仲人などです。
ただし公務員は金品を受け取ることが禁じられていますし、民間の企業でも最近は儀礼的な贈り物を禁止しているところが増えています。
贈って良いかどうか確認をする必要がありますね。
お子さんの習い事や塾の先生は贈るべきかどうか、も悩ましいところです。
教室や先生によって異なるので、それぞれの慣習に従うことにしましょう。
なお、習い事で師弟関係がはっきりしているものや礼儀を教わるものは、昔からお礼をする習慣があるようです。(舞踊、○○道など)
誰に贈るかは相手との関係性や習わしに従って判断して下さいね♪
お中元の選び方~何を選ぶ?
お中元の品選びのポイントは感謝の気持ちを持って、相手が喜んでくれるものを考えることです。
「あの人の好きなものは?」
「ご家族は?お子さんの年齢は?」
「確か甘いものは控えていらっしゃるはず」
好みや家族構成などが分かればより選びやすいですね。
何が良いのか考え迷うのはその人のことを思いやる大事な時間です。
「お中元って何?」の答えはそこにあるということですね♪
人気のお中元は「暑さに負けずお元気でお過ごし下さい」という願いも込めて素麺やビール、冷菓などが定番ですが、今は種類もどんどん増えています。
ただマナーとして、避けた方が良いものもあるので覚えておきましょう。
- 下着、靴下など身につけるもの(特に目上の人)
⇒ 着るものに困っていると見下す - 靴、スリッパ
⇒ 踏みつけることを連想させる - ハンカチ
⇒ ハンカチは手巾(てきれ)、手切れの意味で縁起が悪い - 刃物類
⇒ 縁を切るの意味で縁起が悪い - くし
⇒ 「苦」「死」と結びつけ不吉とされる - 時計、筆記用具
⇒ (目上の人に)勤勉を勧めている - 金券、商品券
⇒ 金額がはっきりして失礼になる
*ただし相手の好みがわからない、またもらって嬉しいという理由で商品券を選ぶ人もいます。
一般的に避けた方が良いと言われる品物でも、相手との関係性や好み、それを選ぶ理由があれば絶対にNGと言うことではありません。
お礼のマナー~お礼状?電話?メールでもOK?
贈る側ではなく自分が贈られた時のマナーとして大事なのがお礼です。
まずはなるべく早くお礼状を出すこと。
お礼状は手書きで送るのが正式なマナーです。
品物が届いたことを相手に知らせる意味でも必要です。
余程親しい相手であれば電話やメールでも構いませんが、親しき仲にも礼儀ありです。
はがきでもOKなので書くことをおすすめします。
内容はもらった相手によって多少異なりますが
- お礼の気持ちを述べる
- 喜んでいる様子や(必要であれば)近況を知らせる
- 今後のお付き合いをお願いする
- 相手の健康を気遣う
お礼状なので余計なことは書かず、感謝の気持ちを自分の言葉で伝えましょう。
お中元に対するお返しは必要ありませんが、もし返す場合でもまずはお礼状を出してからです。
お返しをする場合は、表書きを「御礼」「御中元」「暑中御見舞(お伺い)」「残暑御見舞(お伺い)」など時期や相手に合わせて考えてください。
またもらった品物より高額にならないように注意すべきです。(特に目上の人)
一般的には半返し(半額)くらいで、相手に気を使わせないことが大事です。
まとめ
古来大切に伝えられてきた行事や風習は、子供達にとって日本のことを知る大切な機会です。
起源や意味を知らずに形だけ覚えるのは残念です。
国際化社会を担う子供達にこそ、日本の文化をしっかり伝えていかなければいけませんね。
日本らしい贈り物の文化についても是非そのすばらしさを知って欲しいです。
相手を思いながら品物を選ぶ姿、お中元をもらった時に丁寧にお礼状を書く姿をお子さんに見せてあげましょう。
思いやりや感謝の気持ちが自然に表れ、こうした礼儀作法も当たり前のように身についていくはず。
是非、お中元についてお子さんと話してみてくださいね♪