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標準報酬月額とは?計算方法は?わかりやすく解説♪社会保険料を安く!

 2017/06/30 ビジネス  
標準報酬月額とは?計算方法は?わかりやすく解説♪社会保険料を安く

「社会保険料高いなー!残業代が多い月も少ない月も同じ保険料だけど、どんな計算方法で決まってるんだろう?」

そんなふうに感じたことはありませんか?

毎月のお給料から引かれている、健康保険・厚生年金保険などの社会保険料は
『 標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)× 保険料率 』
で計算されています。

「じゃあ、標準報酬月額とは何?どうやって決まるの?」

標準報酬月額の計算方法が分かれば、健康保険料や厚生年金保険料を安くできる場合もあります。

保険料が高い(=標準報酬月額が高い)ことにメリットもあるのですが、その辺りも含めて分かりやすくお伝えしていきますね。

健康保険や厚生年金といった社会保険は一生付き合っていくものです。

あなたに今すぐ必要でなくても、将来のいつか、また、旦那さんやご友人、お子さんが社会人になったときにも役立つ知識です。

是非じっくりとご覧ください。

知っているか、知らないかで大違いですよ^^!

<直近の主な更新内容>
H29.10.1 育児・介護休業法改正 育児休業2歳までの再延長義務化に伴い更新
H29.9.1 厚生年金保険料率改定に伴い更新
(H16年からの段階的引き上げ終了。一般と坑内員・船員の料率が同じに。)
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標準報酬月額とは

会社に入社すると、健康保険と厚生年金に加入することとなります。

つまり、入社後はずっと毎月の給与から健康保険料と厚生年金保険料が天引きされ続けるということです。

会社には社員を健康保険・厚生年金に加入させる義務があります。

「旦那の健康保険の扶養に入るから加入しない!!!」
と言い張っても、残念ながら逃げることはできません^^;

アルバイトやパート等の短時間勤務の場合も、一定時間以上働く場合は会社の健康保険に加入することになります。

そんな毎月の給与から引かれる健康保険料等は『標準報酬月額 × それぞれの保険料率』で計算されています。

つまり、標準報酬月額とは毎月の保険料を計算する基本となる金額ということですね。

標準報酬月額は、健康保険の給付や年金の計算にも使われます。

この標準報酬月額は、原則的には年1回、4月から6月の給与3ヵ月分の平均額で計算されます。

計算に使う給与は総支給額(+通勤手当)であって、源泉所得税や社会保険料等引き去り後の、いわゆる手取り額ではないですよ^^!

ただし、3ヵ月分給与の合計額を単純に3で割るのでなく、その割った金額を標準報酬月額表という一定の範囲で等級分けしたテーブルに当てはめて決定されます。

ちなみに、「健康保険の標準報酬月額」と「厚生年金の標準報酬月額」は、上限と下限が異なりますが重なる部分では同じ標準報酬月額になります。

標準報酬等級は異なります。健康保険は1~50等級、厚生年金は1~31等級。

標準報酬月額表

「健康保険と厚生年金」と毎回言うのは長いので、以降「社会保険」と言いますね。

≫ もう少し詳しく(続きを開く)

また、介護保険、厚生年金基金も含んでいると考えてください。
介護保険料は「健康保険の標準報酬月額」をもとに、厚生年金基金料は「厚生年金の標準報酬月額」をもとに、それぞれの保険料率をかけて計算されます。

ちなみに、ウィキペディアによると雇用保険、労災保険も社会保険の仲間ですが、この記事では含めません。

日本の制度では、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類の社会保険制度がある。ウィキペディア 社会保険 より

「社会保険」って、人によっては医療保険の意味だけで使っていたりで、結構バラバラなんですよね。
病院関係者は、国民健康保険以外の医療保険(会社の健康保険、公務員の共済、船員保険等)だけの意味で使うと聞いたこともあります(真偽不明)^^

≫ 続きを閉じる

(コラム1)社会保険料はいつまで引かれるの?

「ずっと働いていれば、ずっと社会保険料が引かれ続けるの?」

≫ 社会保険料の引き去りはいつまで?(続きを開く)

そうではありません。
  • 健康保険・・入社~75才になるまで
  • 介護保険・・40才~65才になるまで
  • 厚生年金・・入社~70才になるまで

ただし、厚生年金以外は保険料の支払いがなくなるわけでなく、健康保険は「後期高齢者医療制度」に移行し、介護保険は「第1号被保険者」に変更となって年金から天引きになります。
保険料の計算方法も変わります。

社会保険料引き去り期間

75才までって、、、会社辞めるまではズット保険料を引かれ続けるということですね(+_+)
だからこそ、一度理解してしまえば会社辞めるまでズット使える知識になりますよ♪

≫ 続きを閉じる

(コラム2)社会保険に絶対加入しないといけない会社、従業員の条件

「私、会社の健康保険に入っていないけどどうなんだろう?」という人、パート・アルバイト等で会社の健康保険に加入している人はサラッと目を通してください。

そうでなければ、このコラムは飛ばしてOkです^^

≫ 社会保険の加入について(続きを開く)

加入義務のある対象事業者
  • 法人すべて
  • サービス業以外の個人事業で従業員が常時5人以上の場合
    *対象でない場合も任意加入できます。(従業員の半数以上の同意必要)

ほとんどの事業者は社会保険に加入する義務がありますが、飲食店等サービス業の場合は個人事業である限り何人雇用していようとも社会保険に加入する義務は無いということです。

アルバイト・パート等で加入義務のある対象従業員
  • 所定労働時間が週30時間以上の従業員(短時間就労者)
  • 従業員が501人以上の会社で次の①~④すべてを満たす従業員(短時間労働者)
    ①所定労働時間が週20時間以上
    ②1ヵ月の賃金が88,000円以上
    ③雇用期間が1年以上見込まれること
    ④学生でないこと
    *従業員が500人以下でも①~④を満たす人は任意加入できます。(労使合意必要)

どちらの任意加入も、従業員毎に適用・不適用を選択することはできません。

この後「短時間就労者」「短時間労働者」は使うので、あなたが該当しているなら覚えおいてくださいね。
(短時間労働者はH28.10の法改正で、加入対象となった人です)

≫ 続きを閉じる

社会保険料を安くする3つの方法!

健康保険料を安くする

標準報酬月額の計算方法決定方法は、後ほど詳しくお伝えしますが、まずは健康保険料、厚生年金保険料を安くする方法をお伝えしましょう(^^)/

社会保険料を安くする=標準報酬月額を低くするということです。

と、その前に説明のために知っていおいて欲しいことを先にお伝えしますね。

  • 標準報酬月額は原則年1回、4月から6月の給与の平均額から計算します。
    これを「定時決定」と言います。
     
  • 昇給等で基本給などの固定的賃金が変更になった場合は、変更になった月を含め3ヵ月間の給与の平均額で標準報酬月額を計算しなおします。
    これを「随時改定」と言います。

    *定時決定と随時改定が重なった場合は、随時改定が優先されます。

  • 産後休業や育児休業の終了後に、終了後3ヵ月間の平均給与額で標準報酬月額を変更できます。
    これを「産前産後休業終了時改定」「育児休業等終了時改定」と言います。
     
  • いずれも3ヵ月間の平均給与額から計算しますが、例えば病気でずっと休んでいてほとんど給与が支払われていない月などは除いて計算します。
    具体的には、給与の支払い対象となった日数が17日以上の給与だけで計算します。

    この給与の支払い対象となった日数を「支払基礎日数」と言います。

もしかして、すでに読み進めようかどうか迷っていませんよね(゚д゚)!

ここでは、そんな仕組みがあるんだ~程度で大丈夫ですよ。

社会保険料を安くする方法には、本人からの申し出が必要なものもあります。

会社の担当者がフォローしてくれるとは思いますが、フォロー漏れ、また、そもそも担当者が知らなかったなどで、制度を利用できなかったという事例も実際に報告されています。

とりあえず、この章だけでも頑張って読み進めてください。

概要さえ知っておけば、必要な時にご自身で詳細を調べたり、担当者に聞くこともできます。
方法や制度そのものを知らなければ、どうしようもありませんので(-_-;)

①4月から6月の給与をなるべく低くする

毎年1回、4月から6月の給与の平均額で定時決定を行い、標準報酬月額が決定されます。
4月昇給であれば、随時改定の計算対象月も4月から6月ですね。

随時改定は、現在の標準報酬等級と比べ2等級以上の差があり、計算対象となる3ヵ月間の支払基礎日数がすべて17日以上の場合のみ対象です。

注意点は、4月から6月に支払われた給与で計算されるということです。

3月に行った残業であっても、その残業代が4月給与で支払われるなら影響しますし、逆に6月の残業代が7月給与で支払われるなら影響しません。

通勤手当について6ヵ月定期代などまとめて支払われている場合は、支払い月に関わらず平均給与額に1ヵ月分が計上されます。

もちろん、4月から6月の給与を低くするために仕事が遅れるのでは本末転倒です。
評価を悪くして、昇給やボーナスが減ることにも繋がりかねません。

  • 仕事をやりくりし、出来る範囲でずらせるものをずらす
  • 休日出勤をしたなら、なるべく6月給与の勤怠期間までに代休を取る

ということを意識しましょう。

もし、傷病欠勤など給与控除の対象となる欠勤がある場合は、可能であれば支払基礎日数が17日になることを意識してください。

(短時間就労者で3ヵ月とも支払基礎日数が17日に満たない場合は15日、短時間労働者は11日になります)

そうすれば、欠勤控除で低くなった給与額が、平均給与額の計算対象となります。

*支払基礎日数の数え方は後ほど詳しくご説明します。

定時決定と支払基礎日数

固定的賃金が上がって随時改定の対象となる場合も、計算の対象となる3ヵ月の給与が低ければ標準報酬月額が低くなります。

*随時改定の対象となるのは2等級以上差があり、かつ、3ヵ月とも支払い基礎日数が17日以上ある場合のみ。

随時改定と支払基礎日数

「4月とかが31日になってる!」
実はこれで間違いではないんですね^^

今回のご説明に影響ない部分ですが、後ほど少しだけ説明していますm(_ _)m

②保険者算定できないか検討しよう

通常の計算では正しく標準報酬月額が計算できない場合に、正しい額になるよう調整を行います。
これを保険者算定(保険者決定)と言います。

≫ 保険者算定の詳細を読む(続きを開く)

具体的には
  • 低額の休職給を受けた場合、ストライキによる賃金カットがあった場合 ⇒ 休職給を受けた月、賃金カットがあった月を除いて算定(3ヵ月とも該当する場合は現在の標準報酬月額で決定)
     
  • 遅配や、昇給の遡及支給があった場合 ⇒ 通常受けるべき金額で標準報酬月額を決定
     
  • 4月から6月の給与の支払基礎日数が3ヵ月とも17日(短期就労者の場合15日、短期労働者の場合11日)未満の場合 ⇒ 現在の標準報酬月額にて決定
     

これ以外に、業務性質上の季節的な変動により、通常の算定方法では著しく不当な標準報酬月額になる場合に過去1年間の平均給与額にて標準報酬月額を算定することができます。

この保険者算定を行う条件は、

  • 業種または職種の性質により、毎年4月から6月の給与が他の月と著しく変動すること
  • 4月から6月の平均給与額から算定される標準報酬月額と、前年7月から6月の平均給与額から算定される標準報酬月額との間に2等級以上の差があること
  • 4月から6月の固定的賃金変更に伴う随時改定に該当しないこと
  • 本人が保険者算定の適用に同意していること

毎年季節的変動が起こることが明らかな場合だけですが、もし該当すると思われるなら担当者に相談してみると良いでしょう。

具体的な事例としては次のようなものがありますが、他にも様々な業種が該当します。

4月~6月が繁忙期になる業種
  • 4月~6月の時期に収穫期を迎える農産物の加工の業種
  • 夏に売り上げが上昇する商品の製造が4月~6月に増加する業種
  • ビルメンテナンス等が年度末(3月~5月)に集中する清掃・設備点検の業種
  • 4月の転勤、入社、入学に合わせて業務が増加する引越し、不動産、学生服販売等の業種
4月~6月が繁忙期になる部署
  • 業種を問わず、人事異動や決算のため4月時期が繁忙期になり残業代が増加する総務、会計等の部署
4月~6月の給与平均が年間の給与平均よりも低くなる業種
  • 冬季に限定される杜氏、寒天製作業、測量関係等の業種
  • 夏・冬季に繁忙期を迎えるホテル等の業種
え~と、紹介しておいてなんなんですが、この保険者算定4月に昇給がある人にはあまり役立たないんですよね。

というのも、定時決定のときのみの適用で、随時改定には適用されないから。

一度、保険者算定で標準報酬月額が低くなっても、次の年には4月に昇給がある4~6月の平均給与額は当然2等級以上あがることになる。

つまり、随時改定に該当するので、次の年には保険者算定は利用できないことになるんですね。

総務省が、「定時決定だけでなく随時改定の場合も、公平に過去1年間の平均給与額で決定できるよう見直すべき」と厚労省にあっせんを行っています。

参考:総務省:標準報酬月額の決定における報酬月額の算定の特例の見直し(概要)-行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん-(H29.3.24)

ですが、厚労省は随時改定は固定的賃金が変わったことを踏まえて標準報酬月額を適正な額にするための制度だから、過去1年間の平均給与額で計算するのは趣旨に合わない。

という意見ですので、当面このままでしょう。。

≫ 続きを閉じる

③産前産後休業終了時改定、育児休業等終了時改定を忘れずに!

産後休業や育児休業を終了し職場復帰しても、すぐに休業前のようにバリバリ働くのは難しいですよね。

小さいお子さんがいるので、残業や休日出勤などの融通もききにくいですし、短時間勤務をする人も多いです。

そうすると、おのずと給与も少なくなります。
そこで、実態に合わせた社会保険料に変更するための改定制度です。

≫ 産休中、育休中の方は必ず確認しておいてください^^(続きを開く)

産後休業終了後(職場復帰する場合)、または、育児休業終了後に、終了日の翌日の月から3ヵ月の平均給与額で標準報酬月額を改定できます。

改定の条件は

  • 3ヵ月間のうち最低1ヵ月は、支払基礎日数17日以上の給与があること
    (短時間就労者の場合は15日、短時間労働者の場合は11日)
  • 現在の標準報酬月額と1等級以上差があること
  • 本人から申し出があること

育児休業等終了時改定

注意するポイント

  • 休業終了日の翌日の月から3ヵ月間に支払われた給与が対象です。
    勤怠が給与に反映されるのは、ずれるので注意しましょう。

    上図の下から2つ目の例は、6月20日に休業終了し、かつ7月の欠勤が多かった場合です。
    8月給与の支払基礎日数が17日に満たず改定の対象外となっています。

  • 定時決定や随時改定と異なり、この改定は本人からの申し出により適用されます。

    届け出は会社経由であり、担当者がフォローしてくれるとは思いますが、ご自身でも忘れずに覚えておきましょう。

この改定、標準報酬月額を下げるためだけでなく、上げることもできます。

実際に本人から申し出があり、上げたこともあります。

詳しくは最後の章『【必見】健康保険料をあえて高くする!』をご覧ください。
納得できると思いますよ(^^♪

≫ 続きを閉じる

(コラム3)「養育期間標準報酬月額特例申出書」の提出も忘れずに!

『養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置』を受けるための申出書です。

例に漏れず長い名前ですね^^

≫ 出産予定の人、3歳未満のお子さんがいる人(男女問わず)はご覧ください(続きを開く)

内容的には、子供が小さいと養育のために残業が出来なかったり、短時間勤務だったりで給与が減りますよね。

それに応じて社会保険料も減りますが、社会保険料が減るということは将来受け取る厚生年金の受給額も減るということになります。

そこで、保険料は安くするけど、将来年金額を計算するときは子供が産まれる前と同じ保険料を支払ったとみなして計算してあげましょう。という特例です。

適用の条件は3つです。

  • 子供が3歳未満
  • 子供が産まれる前の標準報酬月額より1等級以上さがること
  • 本人からの申し出があること

女性だけでなく男性もOKです。
給与が下がった理由も問われません。

また、申出書を提出しても、標準報酬月額が子供が産まれる前より低くならなければ適用されませんし、将来的に低くなればその時に自動的に適用されます。

ですから、子供が産まれたらとりあえず出しておくというのも良いですね。
*添付書類として、戸籍謄本と住民票が必要です。

1点注意点として、産前産後休業や育児休業で社会保険料が免除になると、特例適用が解除されてしまいます。

通常は育児休業終了後に提出すればよいですが、男性が育児休業を取る場合や、育児休業終了後すぐに次の子供の産前休業に入る予定がある場合は、注意しましょう。

特例が解除されても、休業終了後に再度申出書を提出すれば適用されます。

とりあえず申出書を提出しておく、もしくは標準報酬月額が下がった時に会社の担当者に相談すれば良いでしょう。(提出は会社経由です)

養育期間標準報酬月額特例

≫ 続きを閉じる

標準報酬月額が低いデメリットを理解しておきましょう

標準報酬月額が低いデメリット

社会保険料を安くする方法をお伝えしましたが、社会保険料を安くする=標準報酬月額を低くすることにはデメリットもあります。

リスクもしっかりと理解したうえで、社会保険料を安くしましょう。

デメリットは、保険料を安くすれば各種給付金も安くなる点です。

健康保険では、生活保障給付である出産手当金傷病手当金が安くなります。

出産手当金、傷病手当金は、給付の開始の日以前12ヵ月間の標準報酬月額の平均をもとに給付額が計算されることになっています。
(H28.10給付金の計算方法が改正されました)

出産手当金とは、産前産後休業期間中の生活保障として健康保険から給付される給付金です。
出産育児一時金とは別です。

また、育児休業期間中に給付される育児休業給付金は雇用保険からの支給ですので、標準報酬月額は関係ありません。

病院での診療費3割負担や、実費補填給付である高額療養費等の給付額は変わりません。

未就学児および70歳以上(収入が高い人を除く)の人は、診療費の自己負担額は2割です。

高額療養費とは、月の医療費が一定額を超えた場合に、その超えた金額を払い戻してくれる給付金です。

一方、厚生年金では、将来の老齢厚生年金がそれまでの標準報酬月額と、保険料を納めてきた月数で計算されます。
万が一の障害厚生年金、遺族厚生年金の計算にも標準報酬月額が関係します。
(その他、ボーナスから引かれた社会保険料も計算に使われます)

まあ、予定できる出産手当金はともかく、かなり先の老齢年金や、万が一の傷病手当金等を心配するよりも、目先の社会保険料を安くする方が良いと私は思います^^


さて、標準報酬月額とは、社会保険料を安くする方法、またそのデメリットについてお伝えしてきました。

ですが、社会保険料を安くするなど実際に活用するためには、もう少し細かい知識も必要になってきます。

例えば、休業や欠勤がある人の支払基礎日数の数え方などはとても大事なポイントです。

ここからは、標準報酬月額をもう少し詳しく掘り下げていきますね^^

少しややこしい部分も出てきますが、社会保険料を安くするだけでなく、社会保険を賢く活用し得をするために、本当に使える知識へとブラッシュアップしてください。

そのために必要な情報をしっかりとお伝えしていきます。

あなたの標準報酬月額はいくら?

標準報酬月額はいくら?

今のあなたの標準報酬月額を把握していますか?

例えば「せっかく育児休業終了後の改定をしようと出勤を調整したのに、今の標準報酬月額と変わらなかった」では意味がありませんよね。

まずは、現在のあなたの標準報酬月額を確認してみましょう。

それぞれの保険料 = 標準報酬月額 × それぞれの保険料率
ですから、保険料率を調べて割り戻す。

もちろんそれでも分かりますが、もっと簡単に知る方法があります。

給与明細書に表示されていませんか?

給与明細書の仕様は会社それぞれですので、必ず記載されているわけではありませんが、表示しているところもあります。

まずは確認してみてはいかがでしょう。

担当者に聞く

給与計算、または社会保険の担当者に直接聞きましょう。

社員一人一人の標準報酬月額を管理していますので、すぐに答えてくれるでしょう。

保険料額表で確認する

給与明細に表示されていない。
担当者に聞くのも何となく気が引ける。

そんな人は、健康保険・厚生年金の保険料額表で確認すると良いでしょう。

健康保険は加入する健保組合、また、協会けんぽによって保険料率が異なっています。

あなたが加入している健康保険のホームページで確認しましょう。

*どこの健康保険に加入しているか分からないときは、保険証で確認しましょう^^

厚生年金の保険料額表については、こちらで確認できます。
⇒ 日本年金機構:厚生年金保険料額表

用意した給与明細の年月に該当する保険料額表で確認します。

一般、坑内員・船員、厚生年金基金といった区分がありますが、ほとんどの方は「一般の被保険者」に該当します。
(平成29年9月分から、一般の方と坑内員・船員の方の厚生年金保険料率は同率になりました。)

厚生年金基金に加入している方は「厚生年金基金に加入している一般・坑内員の被保険者」の表で確認してください。

もしくは、厚生年金保険料と厚生年金基金料を合算した金額で確認できます。

*厚生年金基金に加入していても、従業員が負担する保険料は変わりません。

なお、社会保険料は2分の1を会社が負担しています。
(健保組合には2分の1以上を会社負担としているところもあります)

「被保険者負担・事業主負担」「全額・折半額」等、保険料額表の書き方は健康保険によって異なっているので注意してください。

実際に確認してみよう

≫ 標準報酬月額の確認例を見る(続きを開く)

実際に給与明細を用意して確認してみましょう。

平成29年10月の給与明細の内容
Aさん(30才) 健康保険料 13,874円 介護保険料 0円 厚生年金保険料 25,620円
Bさん(50才) 健康保険料 26,261円 介護保険料 4,373円 厚生年金保険料 48,495円

全国健康保険協会(協会けんぽ) 東京支部に加入

社会保険料は翌月引きですので、10月給与から引かれている保険料は9月分です。

標準報酬月額表の見方

画像引用元:全国健康保険協会(協会けんぽ)東京支部:平成29年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

Aさんの標準報酬月額は280,000円、健保の等級が21、厚年の等級が18
Bさんの標準報酬月額は530,000円、健保の等級が31、厚年の等級が28
となります。

協会けんぽの保険料額表は、厚生年金保険料もまとめて掲載していますが、健康保険により表示項目はそれぞれです。

ですが、基本的な見方は変わりませんのですぐに理解できると思います。

協会けんぽは各都道府県ごとに支部があり、健康保険料率が異なるので注意しましょう。

例では、健康保険と厚生年金が両方掲載されている協会けんぽを利用しましたが、厚生年金(日本年金機構)の保険料で確認するのが分かりやすいと思います。
日本年金機構:平成29年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表

※標準報酬月額は同じですが、標準報酬等級は異なるので注意。

≫ 続きを閉じる

(コラム4)扶養する家族が増えたら保険料は上がるの?

≫ このコラムを読む(続きを開く)

標準報酬月額は、3ヵ月の給与の平均額で決まり、その標準報酬月額を使って保険料を計算するので、扶養家族の増減は社会保険料に影響しません。

ただし、扶養家族が増えたことによって家族手当が増えるなど給与が上がれば、それに伴って標準報酬月額が上がり、保険料も上がる可能性があります。

国民健康保険の場合は扶養という制度がないので、扶養家族が増えれば保険料は上がります。

≫ 続きを閉じる

標準報酬月額はどうやって決まるの?

標準報酬月額計算方法

標準報酬月額は、毎年1回、4月から6月の給与の平均額で標準報酬月額が決定されます。

これを、定時決定と言います。

ただ、定時決定だけでは対応できなかったり、実際の給与と差が大きくなりすぎることがあるので、定時決定含め5つの決定・改定方法があります。

①毎年7月1日(定時決定)

原則的な標準報酬月額の決定方法です。

会社が定時決定内容を健康保険等へ報告する書類が「算定基礎届」で、算定(さんてい)とも言われます。

毎年7月1日に在籍する全社員(その年の6月および7月1日入社者除く)を対象に、4月から6月の実績給与の平均額を求め、その平均給与額を報酬月額表に当てはめ決定します。

平均給与額計算の対象となる給与

4月から6月に支払われた給与で平均給与額を計算するのですが、例えば傷病欠勤や休業ある場合は、その月の給与を含めて平均額を求めると正しい金額が求められません。

そのため、対象となる給与の条件が定められています。

一般の従業員

支払基礎日数が17日以上の給与のみが対象となります。

支払基礎日数とは、給与の支払い対象となった日数です。
欠勤控除が無い場合の支払基礎日数は歴日数です。

まずは、次の図をご覧ください。6月給与で欠勤控除がある場合です。
支払基礎日数 一般

「4月給与の支払基礎日数が31日で、5月給与が30日の理由は?」
勤怠の対象となる歴日数となるからです。

末締めの場合の4月給与 ⇒ 3/1~3/31(31日間)
10日締めの場合の5月給与 ⇒ 4/11~5/10(30日間)
となります。

「6月の支払基礎日数16日は、31-16=15日休んだということ?」
違います。

欠勤控除がある場合は、給与規則等で定められた日数から欠勤日数を引いた日数になります。

具体的には、例えば4日欠勤したとします。

1日欠勤した場合、基本給の20分の1を控除すると給与規則で定めている場合
支払基礎日数は『20日-4日=16日』となります。(非対象)

一方、1日欠勤した場合、22分の1を控除すると定めている場合
支払基礎日数は『22日-4日=18日』となります。(対象)

会社によっては、各給与の対象となる期間で出勤するべき実際の日数(これを所定労働日数と言います)で割った1日分を控除するところもあります。

ややこしいですね(+_+)

あなたの会社の給与規則を読むか、給与計算の担当者に聞いて1日欠勤した場合にどんな計算で控除額が決まるのか確認してください。

4月から6月給与の対象勤怠期間中に、産前休業に入る人や、育児休業が終わる人、傷病欠勤がある人にとっては大事なポイントになります。

つまり、給与がフルに出ない月の給与が平均給与額の計算対象となるかどうかが、社会保険料の金額に直結するということです。

また、4月から6月だけでなく産前産後終了時改定育児休業等終了時改定のときにも、支払基礎日数の数え方は大事ですので、しっかり確認してください。

≫ アルバイト、パート等の場合を読む(続きを開く)

アルバイト、パート等短時間就労者(週の所定労働時間が30時間以上)の場合

アルバイト、パートの場合は、単純に給与の対象となった勤務日数が支払基礎日数になります。
(有給休暇含む)

ですが、対象となる給与は少し変則的です。

支払基礎日数が17日以上の月がある場合 支払基礎日数が17日以上の月だけで平均額を計算します
支払基礎日数が3ヵ月とも17日未満だが、15日16日の月がある場合 支払基礎日数が15日、16日の給与だけで平均額を計算します
支払基礎日数 短時間就労者

アルバイト、パート等短時間労働者(週の所定労働時間が30時間未満)の場合

支払基礎日数が11日以上の給与のみが対象となります。
支払基礎日数 短時間労働者

≫ 続きを閉じる

平均給与額計算の対象となる給与がない場合は?

例えば、ずっと育児休業中だった、また、都合でほとんどシフトに入らなかなった等、4月から6月の給与すべてが平均給与額計算の対象とならなかった場合は、その時の標準報酬月額が継続されます。

つまり、保険料は変わらないということです。
(保険料率が変わった場合を除く)

②給与の固定的賃金が大きく変更されたとき(随時改定)

随時改定-月額変更届

年に1回の定時決定だけでは、実際の給与との差が大きくなるときがあるので、固定的賃金が変更になり給与が大きく変更になった場合は、標準報酬月額が変更されます。

これを随時改定と言い、会社が随時改定内容を健康保険等へ報告する書類が「月額変更届」で、月変(げっぺん)とも言われます。

具体的には次の3つの条件をすべて満たす場合に随時改定を行います。

  • 固定的賃金が変更なったこと
  • 固定的賃金が変更になった月以降3ヵ月間連続して、支払基礎日数が17日以上あること
  • 標準報酬月額が、現在のものと比べ2等級以上差があること
*固定的賃金は増えたが、残業代等の影響により下に2等級以上さがっても随時改定の対象になりません。
つまり、固定的賃金が増えて標準報酬月額が2等級以上あがる、固定的賃金が減って標準報酬月額が2等級以上さがる場合に対象となります。

固定的賃金には何が含まれるの?

固定的賃金とは、その名のとおり毎月固定額が支払われ残業代のように変動しない賃金です。

昇給(ベースアップ)や降給(ベースダウン)の他、家族手当等の各種手当、通勤手当も含まれます。

定時決定と随時改定が重なった場合は?

定時決定の計算期間(4月~6月)に固定的賃金が変わり、随時改定の対象となった場合は、随時改定が優先されます。

つまり、多くの会社で4月に昇給がありますが、4月から6月の平均給与額を計算し、その結果標準報酬月額が2等級以上あがった場合は随時改定の対象となり、それ以外の場合は定時決定を行います。

定時決定と随時改定

③入社したとき(資格取得時決定)

≫ 入社の場合、退職後再雇用の場合を読む(続きを開く)

本来、標準報酬月額は3ヵ月分の実績給与の平均額から求めますが、社会保険に加入したとき、つまり入社したときは実績はありません。

そこで、どうやって標準報酬月額を決定するかと言うと、会社の担当者が適当に決めます^^

まあ、全員一律にエイヤ!で決めるわけではなく、個人ごとの基本給に、想定残業時間分の残業手当と、1ヵ月分の通勤手当を足して平均給与額を予想して決定しています。

きちんと一人一人合理的な根拠を持って決定しているということですね。

アルバイトやパートの場合は、月間の想定勤務時間に時給を掛け、そこに1ヵ月分の通勤手当を足して計算します。

退職後再雇用されたとき(同日得喪)

60歳以上で会社を定年退職し、1日の空きもなく同じ会社で再雇用された場合に、同日得喪つまり、同日に資格喪失手続き資格取得手続きを行うことができます。

本来であれば、雇用が継続する以上、雇用形態や報酬制度の変更で給与が大きく変わっても随時改定(3ヵ月の給与実績が出てから変更)が原則です。

パートから社員、社員から役員等でも随時改定で対応します。

定年後の再雇用時のみ特例として認められている制度です。

一旦社会保険の資格を喪失させ、入社時と同じ資格取得時決定を行うことによって、給与の実態に合わせた社会保険料にすぐに変更できます。

任意ですので、再雇用で給与が上がる場合や、標準報酬月額が変わらない場合は手続きを行う必要はありません。

≫ 続きを閉じる

④産前産後休業が終了したとき(産前産後休業終了時改定)

産前産後休業終了後、育児休業を取得せずに職場復帰した場合に適用されます。

産後休業終了日の翌日の月から、3ヵ月間の給与の平均額で標準報酬月額が計算されます。

⑤育児休業が終了したとき(育児休業等終了時改定)

育児休業終了後、3歳未満の子供を養育している場合に適用されます。

育児休業等終了日の翌日の月から、3ヵ月間の給与の平均額で標準報酬月額が計算されます。

(コラム5)育児休業等終了時改定の「等」って?

少し箸休め的なトリビアを^^

≫ このコラムを読む(続きを開く)

「産前産後休業終了時改定」「育児休業等終了時改定」、育児休業の方だけ「等」がついているのに気づかれましたか?

この等が何を意味しているのかと言うと「育児休業に準ずる休業」です。

まずは、出産・育児に関する会社の主な義務をまとめます。

会社の義務 法律
・妊産婦検診のための時間を確保すること
・健康診査等に基づく指導事項を守るために必要な措置を講ずること
男女雇用機会均等法
・産前休暇(本人の申し出に応じて)・産後休暇(申し出の有無にかかわらず)を取得させること 労働基準法
・育児休業(本人の申し出に応じて原則子供が1才まで)を取得させること
・保育所に入所できない等一定の理由がある場合は1才6ヵ月・2才まで延長可
(H29.10 2才までの再延長が義務化されました)
育児・介護休業法
3才未満の子供がいる従業員に、短時間勤務やフレックス勤務等なんらかの措置を講じること(本人の申し出に応じて)
他にも、不利益な扱いをしたらダメですよ。
なんていうのも義務として法律に明記されています。

ここで、④の措置に代えては育児休業でも良いですよと定められているのです。
ただし、法律上義務付けられた育児休業ではないため、これを「育児休業に準ずる休業」と言います。

ただし、育児休業等終了時改定の要件は育児休業終了日に3歳未満の子供を養育していることなので、3才まで育児休業を取れば適用されません。

3才誕生日の2日前に育児休業を終了すればOKですね^^
(「年齢計算に関する法律」より、誕生日の1日前に年齢が加算されます。3才誕生日の1日前で公的には3才です。)

育児休業に準ずる休業

ちなみに、育児休業給付金は法律で義務付けられた育児休業(延長含む)期間までが給付対象ですが、社会保険料免除は「育児休業に準ずる休業」期間も適用されます。

≫ 続きを閉じる

標準報酬月額はいつ変わるの?

標準報酬月額 変更時期

さて、標準報酬額の決定・改定の方法をお伝えしましたが、では決定・改定された標準報酬月額はいつから適用されて、社会保険料が変わるのでしょう?

  • 資格取得時決定 ⇒ 当月分保険料から
  • 定時決定 ⇒ 9月分保険料から
  • 改定 ⇒ 平均給与額計算の対象となる3ヵ月の翌月分保険料から
    *改定とは随時改定、産前産後休業終了時改定、育児休業等終了時改定

定時決定の場合だけ、変更される月が遅いですね。

定時決定の計算対象となる4月から6月に、固定的賃金の変動があり随時改定の対象となった場合、随時改定が優先されます。

図示すると次のようになります。
まあ、なんとなく整合性が取れているんだろうなと思います^^

社会保険料の変更時期

つまり、定時決定は年1回ですので、改定の対象とならなければ毎年9月分保険料の標準報酬月額が次の年の8月分保険料まで適用されます。

保険料率が変わらなければ、社会保険料はその間ずっと同額と言うことです。

定時決定では必ず標準報酬月額が変わるわけでなく、計算の結果それまでの標準報酬月額と変わらないケースもあります。

社会保険料は翌月引き

定時決定では9月分保険料から新しい標準報酬月額が適用されますが、9月分保険料が引かれるのは10月支給の給与です。

社会保険料は翌月引きがルールなのです。

ですから、入社した月に支給された給与からは社会保険料は引かれていなかったのです。
覚えている人はいないと思いますが。。

そのかわり、退職月には社会保険料を2ヵ月分引くこととなります。

標準報酬月額の計算対象となる給与の範囲は?

社会保険料の計算対象となる給与は、名称にかかわらず労務の対価として受ける金銭や現物支給すべてが含まれます。

家族手当や日直・宿直手当、勤務地手当、住宅手当の他、所得税では非課税の通勤手当も含まれます。

現物支給には、通勤定期券や社員が一定額以上を負担していない食事、社宅等が含まれます。

通勤手当が3ヵ月・6ヵ月定期代など場合は、支給月に関わらず1ヵ月分に割り戻して計算されます。

対象となる給与・対象とならない給与の具体例

≫ 具体例を見る(続きを開く)

対象となる給与
金銭によるもの 基本給(月給・週給・日給など)、能率給、残業手当、勤務手当、役付手当、精勤手当、家族手当、日直手当、宿直手当、勤務地手当、通勤手当、住宅手当、賞与(年4回以上)など
現物によるもの 通勤定期券、回数券、被服(勤務服でないもの)、食券・食事、社宅・寮など
対象とならない給与
金銭によるもの 賞与・決算手当(年3回以下)、大入袋、見舞金、解雇予告手当、退職金、旅費交通費、交際費、慶弔費、年金、保険給付費、利子、配当金など
現物によるもの 制服・作業衣、見舞品、生産施設の一部である住宅など

ボーナスは別として、慶弔金や実費弁済である旅費交通費、交際費以外、ほぼすべてが含まれるということです。
(ボーナスの社会保険料計算方法は後ほど説明します)

≫ 続きを閉じる

(コラム6)通勤手当が含まれるのが納得いかない!

≫ このコラムを読む(続きを開く)

「給料はあの人と変わらないのに、通勤手当が高いからって社会保険料が高くなるのは納得いかない!不公平!!!」

良く言われます( ;∀;)

厚生労働省で「通勤手当が社会保険料の算定基礎額に含まれるのはどうだろう」ということで検討会が開かれたこともあります。

参考:厚生労働省:社会保険料・労働保険料の賦課対象となる報酬等の範囲に関する検討会(2012.9)

結局結論は出ず、現在では検討を行う予定もないということです。

参考:参議院:通勤手当の非課税限度額の引上げに関する再質問主意書(H28.4.15)
*質問・回答の中で社会保険料における通勤手当にも言及されています。

理由としては、

  • 通勤手当の支給について法律上の義務はないので、通勤手当が支給されていない企業もある。
    したがって、社会全体で見た場合一概に不公平とは言えない。
    (上の検討会資料中、企業規模29人以下の企業では30.3%が不支給)

    *会社規模に関わらず派遣社員では通勤手当が出ていない人も多いですね。

  • 通勤手当を社会保険料の算定基礎額から外した場合、収入確保のために保険料率を上げる必要がある。
    しかし、通勤手当の支給状況(大企業ほど支給率が高い)から、社会保険料の負担が零細企業に移転することになる。

要するにこういうことです。
標準報酬月額と通勤手当

改定すると、通勤手当を支給しない・出来ない零細企業、および、そこで働く人の負担がより大きくなるということですね。

また、政府としても保険料率を上げるというマイナスインパクトは、出来るだけ避けたいところでしょう。

まあ、要するにそういうルールだということですね。

≫ 続きを閉じる

ボーナスの社会保険料はどうやって計算するの?

ボーナスの社会保険料

ボーナスからも社会保険料を天引きされます。
ボーナスの社会保険料は標準報酬月額でなく、標準賞与額に保険料率をかけて計算されます。

標準賞与額はボーナスの金額から1,000円未満を切り捨てした金額です。(上限額あり)

また、毎月の給与から引かれる社会保険料は、前月分の保険料ですが、ボーナスについては支給月分の保険料として引かれます。←この部分、次のコラムに繋がります^^

(コラム7)社会保険料に日割りはありません

≫ このコラムを読む(続きを開く)

社会保険の資格は退職日の翌日に喪失します。
(退職日の翌日は次の健康保険の資格取得日でもあります)

具体的には、月末かどうかに関わらず退職日に「健康保険証」を返還し、もしも退職翌日に病院に行く場合は、次に加入する健康保険の保険証を持参することになります。
(資格は取得しますが、保険証の発行手続きは間に合わない場合もあります。)

しかし、社会保険料には日割りはありません。
その月の保険料は、月末に加入しているところに1ヵ月分を支払います。

つまり月末退職であれば、退職月分の社会保険料が発生しますが、それ以外の日の退職であれば、退職月の社会保険料は次に加入するところに支払うこととなります。

具体的には、退職月月末までに次の会社に入社すれば次の会社の健康保険+厚生年金、そうでなければ国民健康保険+国民年金、または、旦那さんや家族の被扶養者となるなら保険料は不要となります。

退職月に支給されたボーナスの社会保険料はどうなるの?

ボーナスから引かれる社会保険料は、当月分の保険料です。

したがって、月末退職の場合は退職月分の保険料が発生しますので社会保険料が引かれますが、月末以外の退職の場合はその会社での退職月分の保険料は発生しませんので、社会保険料が引かれないということになります。

ボーナスが多い人は社会保険料も高いので、一考の価値はありますね^^

しかし、保険料を支払わないということは、もちろん将来の年金がその分減ることになります。
まあ、ボーナス1回分の保険料が将来の年金額に与える影響は、年額で数百円になるかどうかというところでしょうが。。

それよりも、会社の給与規則や退職金規則などを確認し、不利になる点がないかはしっかりと確認してくださいね。

≫ 続きを閉じる

【必見】社会保険料をあえて高くする!

先に結論からお伝えすると、妊娠が判明したらすぐに標準報酬月額が決定・改定されるタイミングを確認し、出来るだけ社会保険料を高くしましょう!ということです。

≫ 出産予定の方はぜひご覧ください^^(続きを開く)

出産・育児に関する制度はとても充実しています。
これらのメリットを最大限に活用しましょう。

具体的な制度は次の5つです。

  • 出産手当金
  • 産前産後休業期間中の保険料免除
  • 育児休業期間中の保険料免除
  • 養育期間標準報酬月額特例
  • 育児休業等終了時改定

少~し詳しく説明します。(概要は下の図をご覧ください)

  • 出産手当金
    出産手当金は、支給開始月を含む直近の12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する額に休業日数を掛けた金額となります。

    支給開始月とは、実際に産前休業を開始した月と考えてもらってOkです。

    厳密には、出産日もしくは出産予定日のどちらか早い日以前42日間(多胎の場合は98日間)で、給与の支給が無かった最も早い日が属する月です。

    つまり、出産予定日の42日前から産前休業を取得したとしても、予定日より早く出産した場合は産前期間もその分早くなります。
    ですが生活保障給付である出産手当金は、給与が出た日については支給されませんので、産前期間の開始日に関わらず実際に休業を開始した日が支給開始日になるということです。

  • 社会保険料免除
    産前産後期間中、および育児休業期間中は社会保険料が免除になります。

    免除になる月は、休業開始日が属する月分から、休業終了日の翌日の属する月の前月分までです。

    つまり、休業終了日が月末であればその月まで、それ以外は終了日の前月まで社会保険料が免除になります。
    (例:終了日6/15の場合 → 翌日6/16 ⇒ 前月5月、終了日6/30の場合 → 翌日7/1 ⇒ 前月6月)

    なお、社会保険料は翌月引きですので、給与から保険料が天引きされないのは休業開始日の翌月から、休業終了日の月までとなります(終了日が月末の場合は休業終了月の翌月まで)。

  • 養育期間標準報酬月額特例
    子供が3歳までの各月に標準報酬月額が、出産日の前月の標準報酬月額より下がった場合、社会保険料は下がった標準報酬月額をもとに計算されますが、将来年金を受け取る時は出産日前月の標準報酬月額として計算されます。
     
  • 育児休業等終了時改定
    育児休業等を終了して職場復帰したときに、休業終了日の翌日の属する月から3ヵ月間の平均給与額で、標準報酬月額を改定できます。

出産育児に関する社会保険制度

つまり、出産前に社会保険料を高くしておくことで、

  • 出産手当金が高くなります。
  • 社会保険料免除期間中は、高い保険料を支払ったとみなして将来の年金や給付に反映されます。
  • 子供が3歳までは、高い厚生年金保険料を支払ったとみなして将来の年金が計算されます。
  • 休業終了4ヵ月目には標準報酬月額を実態に合わせられます。
    休業終了月の翌月から3ヵ月間は高い社会保険料が引かれますが、4ヵ月目から変更になります。

ただし、妊娠時期に一番大事なのはママの健康です。
くれぐれも無理はしなようにしてくださいね。

≫ 続きを閉じる

まとめ

標準報酬月額をなるべくわかりやすく解説しました。
いかがでしたでしょう^^?

特殊なケースを除いて、実際に自分で標準報酬月額を計算し、制度を賢く利用するために必要な知識をほぼカバーしました。

まあ、実務担当者向けのなかなかに小難しい内容もあったと思います。

ですが、給与からの社会保険料天引きは、会社を退職するまでずっと続くものです。
一度しっかりと基礎知識を付けておくことは決して無駄になりません。

ただし、健康保険法、厚生年金保険法、育児・介護休業法をはじめとする各種法律は、毎年のように改正されます。

今後、改正があった場合は随時更新していきますので、このページをブックマークやお気に入りに入れておき、あなたが必要になったときに読み返してください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「この部分が分かりにくい」「ここをもっと詳しく説明して」などありましたら、下のコメント欄からご連絡ください。

~お願い~
MamaGyutte[ママギュッテ]で、初めて社会保険について執筆しました!
10年以上携わってきましたので、実は得意分野なんです^^

社会保険等の制度について、あなたはもっと知りたいですか?

例えば、「産休・育休を徹底的に活用!絶対に損しないためのポイント」とか
「賢いママの出産退職の仕方」とかです。

どうでしょう。
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希望が多いようであれば、執筆しますね。

では、また(^^)/

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